校舎長ごあいさつ

当校は不登校や発達に課題のある生徒達の「一人ひとりの個性を認めて育てる」という教育方針を柱にしています。

年齢や生活環境、そして障がいの有無は関係なく、一人ひとりに合ったペースで学習し、卒業資格を取得することができる。それは新入生だけでなく、すでに働いている人や、高校を中退した人、学業不振で現在の学校では卒業が難しいと悩んでいる人にも、いつでもここなら学べる機会があり、受け入れる体制が整っていることを知ってほしいと思います。

私は、平成23年から福岡市とその近隣で障がい者の就労訓練事業所の代表理事を務めてまいりました。ここでは、さまざまな障がいや病気のある方たちが技能訓練をしたり、働いたりすることで一般企業へ就職するためのステップアップを図っていただく場です。しかし、訓練後に就職しても継続できない人、残念ながら就職に至らない人も少なくありません。その原因を追究していくうちに、いろいろな環境によって、自分が満足できる学校教育を受けることができず、自信を持つことができない人がいることに気づきました。

「自信」というものは誰もが持つことができるものであり、経験や知識を積み重ねる環境があれば培い、実力を発揮することができます。障がいや病気の有無、年齢、生活環境などに捕らわれることなく、自由に学ぶことができる通信制高校は、多くの人たちが自信や実力を身につけることができる礎にすることができるのではないか？と思い、学校の設立に至りました。

当校は学業と同時に、就労する力。つまり生きていく力をつける場でありたいと思っています。発達に課題のある生徒が自分の力だけで高校を卒業することは簡単なことではありません。仕事に就くことも同じくです。それをサポートしながら、コミュニケーション能力を高める指導をし、ビジネスマナーを学び、就労につながる学びをしていきます。

今の時代、就活や資格を取得するのに、高校卒業資格は持っていて当たり前と言われる時代です。ただ高校を卒業すればいいわけではないのです。どこで何を経験し、学ぶかが大切です。当校は通信制高校でありながらも、生徒達を見守り、成長をサポートしながら卒業まで導いていくこと。その部分を大切にしています。

通信制高校における目標は「高校卒業資格取得」ですが、その卒業後は収入を得て自立した生活を送るための「就職」「社会人生活40年近く」が待っています。

当校に入学した生徒ひとりひとりが、この3年間でそれぞれの目標や夢を確実にみつけて、是非、未来に希望を持って卒業の日を迎えて欲しい。その為にも広い視野と方向性で、ひとりひとりの個性と向き合い、共に将来の地図を描ける学校づくりをしたいと思っています。